The Moon Age Calendar >> Main >> Inquiry >> Help  DrawUp 1997/09/07



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天文用語に関するご質問を多く戴きます。
天文用語の中から月に関連したものを
メールでお答えしていたもの等を含めて
ごく簡単にですが、ご説明いたしております。


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位相
月や内惑星は満ち足り欠けたりして、見掛けの形を変えています。
その見掛けの変化の度合いを言います。


位相角
通常2天体の相対位置の関係をあらわす角度のことを言います。
当サイトでは特に月と太陽、月と地球とを結ぶ直線がなす角を言います。
また惑星と太陽、惑星と地球とを結ぶ線がなす角を言うこともあります。


緯度
地球上の位置をあらわすために、緯度と経度が考えられました。
経度は赤道を基点(0度)として、南に90度で南極までが南緯といい、北に90度で北極までを北緯といいます。


緯度の秤動
月は地球にいつも同じ面を向けていると言われますが、完全に同一面を向けているわけではありません。
この向きを変える運動を秤動(ひょうどう・しょうどう)といいます。
秤動には4種類があり、その一つが緯度の秤動です。
それは月の公転軌道面に対して月の自転軸が6゜41’傾いているために起こります。
ちょうど地球の自転軸が傾いているために季節が起きることと同じで、実際に空間に対して首を振っているわけではありません。幾何学的秤動と呼ばれています。


芋名月
旧暦の8月15日の月を中秋の名月と言いお月見をしますが、酒宴を開き、詩歌を詠じ、すすきを飾り、団子・里芋等を盛り、神酒を供えて月を眺めたと言われています。
そのことから芋(いも)名月とも呼ばれます。


衛星
惑星の周りを回っている天体のことを言います。
水星や金星には衛星がありません。地球には唯一の衛星である月が在りますが、天然のもという条件の下でということで、通信衛星などは無数に地球の周りを回っています。
太陽系の全ての天然衛星は60個以上も確認されています。


遠日点
太陽の周りを回る惑星や小惑星のほか彗星などは楕円軌道を回っています。
そのとき太陽から最も離れる点を言います。
地球の場合には1億5,210万1,000キロメートルで、平均距離と比較すると101.6%となり250万キロメートルも遠いことになります。


遠地点
地球の周りを回る月や人工衛星などが、地球から最も離れる点を言います。
この点から地球の中心までの距離を「遠地点距離」と言います。
人工衛星の場合は地球表面までの距離を指します。


外合
内惑星が地球から見て太陽と同じ方向にあるときを合と言い、太陽の向こう側で合となる時を外合と言います。外合の内惑星は満月のように丸く見えますが、距離が遠く小さく太陽の向こう側のため観測できません。


会合周期
合から次の合まで、または衝から次の衝までの平均時間を言います。
惑星または小惑星の公転周期をP、恒星年をEとすると、会合周期は以下の式で求められます。
(1/E)−(1/P)=+−(1/K)
内惑星は−、外惑星・小惑星は+となります。


下弦
月が太陽から東に270度離れたときが下弦で、東側が丸い半月のことです。
正確には月と太陽との黄経の差が270度(−90度)になった時を下弦と定義されています。
黄経の変わりに赤経で定義することもあります。
上・下弦の区別は西に沈むとき、直線の部分が上か下かで上弦・下弦と憶えると簡単です。


軌道(傾角)
天体が運動している経路のことを言います。
惑星や衛星のように主天体の周りを回っているときには、公転軌道と言います。
惑星や衛星の軌道は楕円ですが、彗星などは放物線や双曲線のこともあります。
天体の軌道を確定するためには、運動方程式の6つの要素が必要となります。
惑星・彗星の軌道要素
1:近日点通過日時(T)天体が最も太陽に近づく日時。
2:近日点引数(ω)黄道面と天体の軌道交点の1つの昇交点から近日点までの角度。
3:昇交点黄経(Ω)春分点から昇交点までの角度。
4:軌道傾斜角(i)黄道面に対する軌道面の傾角。
5:離心率(e)軌道の形を示す数値。e=0が円軌道、0<e<1が楕円軌道、e=1が放物線軌道、e>1が双曲線軌道となります。e=>1の天体は2度と戻ってはきません。
6:近日点距離(q)近日点の太陽までの距離。
これらを用いて惑星や彗星の軌道計算を行なうことが、ちょっとしたブームとなっているようです。


輝面比
太陽光によって輝いて見える部分の全表面に対する比で、月面上の明暗境界線の両端を結ぶ直線に垂直で、月の直径に対する明るい部分の長さの比でもあります。
位相角をi、輝面比をkとすると以下の式で求められます。
k=1−((1+Cos i)/2)


旧暦
太陽太陰暦の事を総称して旧暦と呼びます。陰暦とも呼びます。
太陰暦では朔(新月)の日を毎月1日(ついたち)とします。
従って暦上の1か月は、朔の日から次の朔の前日までで、その長さは朔望月に等しく平均29.530589日ですので、29日の暦月を小の月、30日の暦月を大の月と呼んでいました。
このような太陰暦に於ける1年は平均354.3671日となり1太陽年の365.2422日より11日不足しましたので、3年に1度程度の割合で13暦月とした閏年を設けていました。
現在の閏年は4年に1日に対し太陰暦では3年に30日と大変大きく、暦が季節から大きくずれることになることになります。
季節を示す目印として太陽の位置からなる二十四節期を加えるようになりました。
立春や春分、秋分、夏至、冬至などの節期によって季節の訪れを正確に捉え農業などに役立てていました。


均時差
平均太陽時に加えて視太陽時を求めるための量で、真太陽時から平均太陽時を引いた時間分です。
実際の太陽の動きが一定ではないことから、季節によって変化します。
2月中旬と11月上旬に極大値+−16.4分程度となり、4月中旬・6月中旬・9月上旬12月下旬には0になります。


近日点
太陽の周りを回る惑星や小惑星のほか彗星などは楕円軌道を回っています。
そのとき太陽に最も近づく点を言います。
地球の場合には1億4,709万9,000キロメートルで、平均距離と比較すると98.3%となり250万キロメートルも近いことになります。


近地点
地球の周りを回る月や人工衛星などが、地球に最も近づく点を言います。
この点から地球の中心までの距離を「近地点距離」と言います。
人工衛星の場合は地球表面までの距離を指します


近点月
月が地球に最も近づいてから再び再接近するまでの時間を言います。
平均27日13時間18分33秒です。
同様に地球が太陽に最も近づいて再接近するまでの時間を近点年と言い、平均365日6時間13分53秒です。


栗名月
旧暦の8月15日の月を中秋の名月と言いお月見をしますが、旧暦の9月13日にもお月見をする習慣があります。このお月見には栗や枝豆を供えることから、栗(くり)名月とも豆(まめ)名月とも呼ばれます。


経度の秤動
月は地球にいつも同じ面を向けていると言われますが、完全に同一面を向けているわけではありません。
この向きを変える運動を秤動(ひょうどう・しょうどう)といいます。
秤動には4種類があり、その一つが経度の秤動で、それは月の公転軌道が楕円であるために起こります。
月の自転速度はほぼ一定であるのに対し、公転速度は遠地点では遅く、近地点では早くなります。
それによって月の自転角度とずれが生じ、経度方向に首を振っているように見えます。
遠地点と近地点ではそれぞれ正面を向いています。
実際に空間に対して首を振っているわけではありません。幾何学的秤動と呼ばれています。


月出没
毎日の月の出や没の時刻は平均で約50分ずつ遅れて行きます。
ところが、月の出や没の時刻を線でつなぎグラフを描いて行くと一定の曲線では無い事が分かります。
曲線がなだらかなときは、毎日の月の出や没があまり変わらないと言うことになります。
それは月が楕円軌道を回っているために公転速度が一定ではないために、毎日の月の出や没の時刻は一様に変化して行かないと言うのが主な原因です。


月食
月は太陽の光を反射して輝いています。
満月のときに太陽、地球、月が一直線に並んだとき、地球の影は太陽とは反対側に伸びています。
その中を月が通過すると、月は地球の影に潜入します。これを「月食」と言います。
ですから月食は必ず満月の夜に起こることになります。
月食には皆既月食と部分月食、それに半影月食の3種類があります。
月が完全に地球の影(本影と言います)の中に潜入するのが皆既月食で、このとき月は赤褐色になります。
月が完全に見えなくならないのは、地球の大気の層で拡散された太陽の光が月面を照らすためです。
いわば地球の夕焼けが月に映っていると考えれば分かりやすいでしょう。
皆既月食中の月の明るさは、地球の大気の状態によって変わります。
また、日食は限られたごく一部の地域からしか見ることができませんが、月食はその時刻に月が見えるところなら世界中何処にいても見ることができます。


月面緯度経度
地球表面上の場所を確実に示すためには経度と緯度が用いられます。
それと同じように月面上の場所を確実に示すためには、月面経度と月面緯度が用いられます。
月の中心を通って自転軸に直角な平面と月面との交線として、月の赤道が決まります。
月面経度はこれを基準にして、北極と南極に向かって90度までとなります。
月面経度は平均月面中心を通る月面子午線が基準となり、それから東と西に向かって測ります。


月面の中心
月はいつも地球に同じ面を向けていると言われていますが、実際にはそうではありません。
東西南北にわずかですが首振り運動をしています。
この運動を秤動といい、その大きさは8度以内で、月の裏側の一部が見えたり隠れたりします。
その結果、見掛けの月面の中心は絶えず動いています。
そこで平均の月面中心を天文学では以下のように定義しています。
月が平均の昇交点上にあり、この昇交点が平均の近地点にあるとき、月の中心と地球の中心とを結ぶ直線が月面上で交わる点。


月齢
朔(新月)の時刻以後経過した時刻を1日単位で表したものです。
例えば朔から7日と12時間経過すると月齢は7.5で、20日と1時間後は20.04となります。
朔望月の長さは平均29日12時間44分ですので、月齢も平均29.5で終わりになりますが、時により長短が出ます。
最大月齢は約29.3から29.8程度の間で変化します。
月齢と月の見掛けの形とは関係があり、月齢で月の見掛けの形がだいたい分かります。
平均して上弦は月齢7.4の時に、満月は14.8の時、下弦は22.2のときに起こります。
しかし、これは平均の話ですので必ず月齢14.8で満月になるわけではありません。
月齢13.9や15.6で満月と言うこともよく起こります。
月齢と月の見掛けが必ず一致するのは新月のみと言うことになります。


降交点
月や惑星の公転軌道の平面が黄道と交わる2点のうち、黄道面の南側から北側に通過する点を言います。
もう一つの交点を降交点と言います。


恒星月
星空で月がある恒星のそばを通り過ぎてから、再びその恒星の所に戻ってくるまでの時間。
恒星に対して月が地球の周りを一回転する時間で、平均27日7時間43分11秒です。

黄道
星空において太陽が恒星に対して位置を変えるときに通る道のこと。
地球の公転軌道の平面と天球との交線にあたります。
太陽は1年で黄道を一周しますが、天の赤道に対して約23.5度傾いています。
太陽が赤道を南側から通過する点を春分点と言い、座標系の基準となっています。


黄道傾角
黄道は天の赤道に対して、約23.5度の角度で傾いています。
これを「黄道傾斜角」と言います。この角度は一定ではなくて、歳差と章動の影響で、わずかに変化しています。
1997年現在の黄道傾斜角は23度26分22.384秒で、毎年0.4684秒(角度)づつ減っています。


黄道座標
黄道を基準にして決めた星空の緯度と経度である黄経と黄緯を用いた座標系のこと。
黄緯は黄道上を0度としてそれより北または南に90度まで測り、黄経は春分点を0度としてそれより東向きに360度まで測ります。
黄緯と黄経は惑星や小惑星などの太陽系内の天体の運動理論の研究に用いられます。
座標の原点を太陽中心にとったものを日心黄道座標、地球中心でとったものを地心黄道座標と言います。


公転
ある天体が主天体や連星の共通重心のまわりを回ることを公転と言います。
例えば地球は太陽のまわりを365日6時間9分10秒かかって、また、月は地球のまわりを平均27日7時間43分11秒かかって公転しています。
一般に公転は以下のような運動のことを言います。
1:惑星、小惑星、周期彗星が太陽のまわりを回る運動
2:衛星、人工衛星がその母天体のまわりを回る運動
3:連星系で、伴星が主星のまわりを回る運動


交点月
月が黄道を南から北へ通過して(昇交点)から、再び同じ方向に通過するまでの時間。
平均27日5時間5分36秒です。
交点は太陽の摂動のために18.6年の周期で逆行しています。
そのため、1恒星月(平均27日7時間43分11秒)より短くなっています。



毎日眺める月や太陽も星空の中で動いていますが、月の見掛けの速度は太陽に比べて、およそ13倍も早く29日半の周期で太陽を追い越し、また追いついてきます。
月が太陽に追いついて同じ方向に見えるときを、朔(さく)といいます。
旧暦の1日(ついたち)で、新しい月の始まりという意味から新月と呼ばれます。
朔の時には、月は太陽と同じ方向にあるため、太陽と共に昇り日中一杯空にあり、太陽と共に沈みます。
天文学では月と太陽の黄経の差が0度になった時を朔と定義します。


視直径
天体の大きさを表すのに、その天体見掛けの差し渡しを角度で表します。
例えば、太陽の視直径は31分59.3秒で満月の平均視直径は31分5.16秒です。
視直径の半分を視半径と言います。


秋分(点)
黄道と赤道との交点のうち、太陽が天の赤道を北側から南側に通過する点を「秋分点」と言います。
また、太陽が秋分点にあるときを「秋分」と呼びます。
黄経は180度となります。
現在、9月23日頃が秋分の日になります。


春分(点)
黄道と赤道との交点のうち、太陽が天の赤道を南側から北側に通過する点を「春分点」と言います。
また、太陽がこの点を通過するときを「春分」と呼びます。
現在、平年は3月21日、閏年は20日が春分の日になっています。
春分点は赤経も黄経も、ここを基点にしているため、天文学では座標系の基準となっています。重要な位置となっています。


初既
日食や月食の欠け始めのことを言います。
月食の場合は半影ではなく本影の欠け始めを指すようです。
また、最も欠けることを食甚(しょくじん)といいます。


食分
日食や月食の欠け具合を言います。
日食の食分は月の視半径と太陽の視半径の和から月と太陽の中心距離(角)を引いた角度を太陽の視直径で割ったものとなります。
月食の食分は月の視直径と本影の半径の和から月と本影の中心距離(角)を引いた角度を月の視半径で割ったものとなります。
皆既食では食分が1より大きく、金環食(日食のみ)や部分食では1より小さくなります。


上弦
月が太陽から東に90度離れたときが上弦で、西側が丸い半月のことです。
正確には月と太陽との黄経の差が90度になった時を上弦と定義されています。
黄経の変わりに赤経で定義することもあります。
上・下弦の区別は西に沈むとき、直線の部分が上か下かで上弦・下弦と憶えると簡単です。


昇交点
月や惑星の公転軌道の平面が黄道と交わる2点のうち、黄道面の北側から南側に通過する点を言います。
もう一つの交点を昇交点と言います。


星食
恒星や惑星または衛星が、惑星や月に隠される現象を言います。
特に月による恒星の星食が一般に言われるものです。
その時刻を正確に測定すると、月の運動を研究する手段となります。
星食国際中央局では、食星や接星の観測データを収集管理解析を行っています。
観測結果の報告方法などの手引書や報告用紙などを購入できます。
海上保安庁水路部航法測地課星食国際中央局
104 東京都中央区築地5−3−1
(返信用切手190円分を添えて申し込みます。)
海上保安庁水路部のホームページ
http://osman.jhd.go.jp/
E-mail
dream@cue.jhd.go.jp


太陽の月面余経度
月面上で太陽が真上(天頂)にある地点、言い換えれば月の中心と太陽の中心とを結ぶ線が月面上と交わる点を、月面に於ける太陽直下点と言い、この点の月面経度と月面緯度を太陽の月面経度・月面緯度と言います。
天体暦では一般的に太陽の月面経度の代わりに、月面経度を90度または360度から引いたものを用いています。
これを太陽の月面余経度と言いますが、つまり東向きに測った月面の日の出明暗界線の月面経度と言うことになります。
月面経度pの地点が日の出となるのは月面余経度が360度−pの時で、日没となるのは月面余経度が180度−pとなった時です。


太陽の月面緯度
太陽の月面緯度と太陽の月面余経度を用いて、月面上の日の出や日没を迎える点を知ることが出来ます。


太陽の高度(月面)
月面上の1点における太陽の高度は、太陽の直下点の月面経緯度が分かれば簡単に計算することが出来ます。
月面経度をp、月面緯度をqとし、太陽の月面余経度をY、太陽の月面緯度をbとすると、太陽の高度Hは次の式になります。
SinH=Sin b Sin q + Cos b Cos q Sin (Y+p)
月面上の太陽高度が分かれば、影の長さを用いて月面上の山の高さが測定することが出来ます。
太陽の高度をH、影の長さをAとすると月面上の山の高さhは次の式になります。
h=A Tan H


地心距離
地球の中心から天体までの距離を言います。
主に太陽系内の惑星、彗星、小惑星、月などの距離を表すときに使用します。
位置推算などでは地心距離を使わないと理論計算ができないため、距離の基本的な量となっています。


中秋の名月
旧暦の8月15日の月を言い、日本では古くからこの日にお月見をします。
旧暦では秋分を含む暦月を8月としますので、中秋の名月は秋分に一番近い満月と言うことになりそうですが、中秋の名月は必ず満月と言うわけではありません。
実際には、満月が中秋の名月の日に起こることもありますが、その翌日や翌々日に起こることもあります。
それは旧暦の15日が必ずしも満月ではないからです。つまり十五夜お月さんは満月と言いきれないと言うことです。
中秋の名月の日も一定ではありません。旧暦の精度の悪さから閏月に影響で、9月の上旬や、10月の上旬となったりします。



月は私たち地球の唯一天然の衛星(人工の衛星区別するため)です。
大きさはほぼ地球の4分の1で、平均距離38万kmの空間を回っていますので、見かけの大きさは太陽と同じくらいになります。
月面には、クレーターや山脈、谷のほかに、海と呼ばれるやや滑らかですが黒く見える部分があります。
月は約1ヶ月かかって地球の回りを公転しています。そしてその間に満ち欠けをします。
これは月が太陽の光を受けて輝いているためです。
公転周期と自転周期が同じため、月はいつも同じ側だけを私たちに見せていますが、秤動という首振り運動によって、半分より多い59%の範囲を見ることができます。


月の形
月は丸い形(球形)をしていると言われますが、実際には球形ではありません。
ラグビーボールのような楕円形でもありません。
楕円形に近い複雑な形をしています。
地球に向いている面は楕円に近く、側面から見ると楕円の一方は尖り、一方は丸みを帯びています。
最も分かりやすく捉えるには卵形と言うと理解しやすいでしょう。
月の裏側は楕円が尖り、表面側は丸みを帯びた楕円が出っ張っています。
これは地球による引力と公転による遠心力により変形したものと考えられています。


月の距離
月の平均距離は384,418kmで、地球の赤道部の半径(6,378.160km)の60.2710倍、太陽の平均距離の0.0025697倍にあたります。
しかし公転軌道は楕円形で、その離心率は0.0549もあるので月の距離には最遠と最近とができます。
毎月の最遠距離はそれほど違いませんが、最近距離は大きく変化しています。
月の赤道地平視差をπ(角度)、月の視半径をS(角度)とし、月の距離をDとすると、以下のような式が成り立ちます。
S=0.08秒(角度)+0.272446π
D(km)=35.4+(1315576900/π)


天文単位
天文学で使う距離の単位で、地球と太陽の平均距離を言います。
1天文単位は149,597,870kmで、太陽系内の天体までの距離を表すときに使われます。
1秒間に光が進む距離(299,792.458km)は0.02天文単位で、1年間に光が進む距離(946,052,834,800,000km)は63,239.73天文単位です。
太陽系外の天体までの距離は、大きすぎて表現しにくいため光年(光が1年間に進む距離)を使用します。


動径
天体が主天体の周りを公転しているとき、二つの天体を結ぶ線分のことを言います。
太陽と地球とを結ぶ線分を、地球の動径と言います。


日周秤動
月は地球にいつも同じ面を向けていると言われますが、完全に同一面を向けているわけではありません。
この向きを変える運動を秤動(ひょうどう・しょうどう)といいます。
秤動には4種類があり、その一つが日周秤動で、観測者が地球中心に対して移動するために月の見えている面が変わって見えることを言います。
光学的秤動の一種で、ガリレオが発見しています。


日食
太陽の前を月が横切ることによって隠される現象を言います。
日食には次の3種類があります。
1:金環日食、見かけ上、太陽が月より大きいときには完全に隠れず太陽の周辺部が月のまわりからはみだしてリング状に見える日食を言います。
2:皆既日食、月の方が太陽より大きく見えるときには、太陽は完全に月の蔭に隠されてしまう日食を言います。
3:部分日食、太陽の一部が月によって隠される日食を言います。

金環日食と皆既日食は、太陽と地球の距離と月と地球の距離によって違いが起きます。

皆既日食や金環日食は、ごく限られた範囲でしか見る事が出来ません。
地球上に投影された月の影の中心付近でのみ見ることができます。
月の影の中心は時間とともに地球上を移動して行きますので、細長い帯状の地点から見ることになり、これを皆既(金環)日食帯と言います。
この帯の外側の影の地域では、太陽の一部が月によって隠される部分日食を見ることが出来ます。
部分日食の欠け具合(食分)は、皆既(金環)日食帯に近いほど大きく、遠くなるほど小さくなります。


後の月
旧暦の8月15日の月を中秋の名月と言いお月見をしますが、旧暦の9月13日にもお月見をする習慣があり、これを後の月(のちの月)と言います。
このお月見には栗や枝豆を供えることから、栗(くり)名月や豆(まめ)名月とも呼ばれます。


白道
月が星空で位置を変えて行くときに通る道を言います。
白道は黄道のように星空を一周していますが、黄道に対して平均で5.9度傾いていることから一致することはありません
夏の太陽は天高く昇り冬の太陽は低く地を這うように回ります。
夏至には80度近くにもなり、冬至には30度位まで下がります。
一方満月は太陽と黄経で180度離れたところにいます。
夏至の頃の満月の黄経は270度で冬至の太陽の方向、また、冬至の頃の満月は黄経90度で夏至の太陽の方向になります。
よって夏至の月は高度が低く、冬至の月は高くなります。
ところが月の通り道(白道)と太陽の通り道(黄道)は18.6年の周期で向きが変わるために、月の最北赤緯度と最南赤緯度の差が大きい時と小さい時が起きてきます。
今年1997年は極小期で夏至と冬至の月の高度の差が最も小さくなる年です。
その差は72度−36度で36度しかありませんが、逆に次の極大期の2006年には82度−25度で57度もあります。


半影月食
太陽によって作られる地球の影には2種類あります。
1:本影、太陽と地球の外接線に囲まれている部分の影です。
2:半影、太陽と地球に内接線で囲まれている本影以外の部分です。
通常月食というのは月が地球の本影の中に入った時のことを指します。
月が半影部分に入っても、肉眼では殆ど光度に差が無く月食だと言うことに気づかないくらいです。
どんな月食でも半影月食を経過して行きますが、半影月食のみで終わってしまう場合もあります。
写真撮影などを行わない限り観測できない月食現象です。
学問的にも余り役に立つものではありません。


秤動
月は地球にいつも同じ面を向けていると言われますが、完全に同一面を向けているわけではありません。
この向きを変える運動を秤動(しょうどう・ひょうどう)といい、秤動には以下の4種類があります。
1:日周秤動、観測者が地球中心以外にいることから起こる現象。
2:経度の秤動、月の交点速度の遅速から起こる現象。
3:緯度の秤動、月の自転軸が公転面に対して傾いていることから起こる現象。
4:物理的秤動、月が真円(完全な球)で無いために起こる現象。
秤動の結果、地球から観測できる月面は全表面の1/2よりも多く約59%にもなります。
4種類の秤動のうち、実際に月が首を振って起こす秤動は、物理的秤動だけで、他の3種類の秤動を幾何学的秤動と呼び区別しています。



月と太陽が正反対の方向に来たときを望(ぼう)といいます。
満ち欠けを繰り返す月が、満ちるときと言う意味から満月呼ばれます。
望の時に月は日没と共に空に昇り、一晩中夜空を照らして、日の出とともに沈みます。
天文学上では月と太陽の黄経の差が180度の時を望と定義します。


豆名月
旧暦の8月15日の月を中秋の名月と言いお月見をしますが、旧暦の9月13日にもお月見をする習慣があります。
このお月見には栗や枝豆を供えることから、栗(くり)名月や豆(まめ)名月とも呼ばれます。


満月
月と太陽が正反対の方向に来たときをいいます。
満ち欠けを繰り返す月が、満ちる時と言う意味から満月と呼ばれます。
満月は日没と共に空に昇り、一晩中夜空を照らして、日の出とともに沈みます。
天文学上では月と太陽の黄経の差が180度の時を満月(望)と定義します。
月齢カレンダーなどで満月とされいる日に眺める月は、どうも満月のようでないと言うお問い合わせを頂きます。
そのような日を調べてみますと、その日の午前0時から6時頃に満月を迎えることになっていることがあります。
つまり日付上は、その日が満月と言うことなのですが、実際に観月するときは夜間であるために前日の夜の方がより満月に近い月であることがあります。
カレンダーでは現実に月を見る夜の真ん中に日付という区切りがあるがために、このような問題が起きてきます。
日付だけでなく時刻を見た上で観月の日を決めるようにする事が大切です。


明暗界線
月面上で日光が当たっているところと、当たっていないところの境目を言います。
明暗界線は月面上の大円で、日出明暗界線と日没明暗界線の二つに分けることが出来ます。
月面上の明暗界線が月面のどの辺りか(月面経度)を知るためには太陽直下点の経度ιによって求めることができます。
日出明暗界線は90度−ι、日没明暗界線は450度−ιとなります。
朔・上弦・満月・下弦の時の日出明暗界線の月面経度は、90度・0度・270度・180度と変化して行きます。


暦月
旧暦(太陰暦)の1月(ひとつき)を1暦月と言います。
朔(新月)から次の朔の前日までで、その長さは朔望月に等しいことになります。
朔望月の平均の長さは29.530589日ですので、1暦月も29日や30日となります。
29日の暦月を小の月、30日の暦月を大の月と呼ばれていました。


暦表時
完全に一様に進む「時」のことを言います。
現在、実際に使われている世界標準時は、地球の自転運動を基準にして決められた「時」であるために、地球の自転の不規則さとともに修正され一様に進みません。
1月1日や7月1日の午前0時に入る閏秒は世界時を地球の自転に合わせて、原子時計から求められた時間に修正を加えています。
つまり自転が遅くなっているために、余った時間を定量毎に切り取っていることになります。
このために考え出されたのが暦表時で、地球の公転運動を基準にして決められた「時」と言うことができます。
暦表時は世界時に月や惑星の観測から得られた秒数を補正して求めます。
暦表時=世界時+ΔTという形で表します。
1997年現在ΔTは64秒に達しています。
天体の位置推算の場合には、切り取った分の時間ΔTを加えて、本来の経過時間=暦表時を使用して正確な位置を求めて行きます。


惑星食
月が惑星を隠す現象を言います。
月や惑星の軌道は、共に黄道の近くにあるために月が背後にいる惑星を覆い隠すことがあります。
その時刻を正確に測定すると、月の運動を研究する手段となります。
星食国際中央局では、食星や接星の観測データを収集管理解析を行っています。
観測結果の報告方法などの手引書や報告用紙などを購入できます。
海上保安庁水路部航法測地課星食国際中央局
104 東京都中央区築地5−3−1
(返信用切手190円分を添えて申し込みます。)
海上保安庁水路部のホームページ
http://osman.jhd.go.jp/
E-mail
dream@cue.jhd.go.jp